1-3肩・首・背中・腰・骨盤・臀部・大腿・下腿・足
(14)左の肩や首の付根から、背骨の左側、骨盤・臀部、坐骨の下のハムストリング筋群の起始(きし)部・承扶(しょうふ)、左大腿(だいたい)の裏・ハムストリング筋群、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)、左膝窩(しっか)、左下腿(かたい)の裏・腓腹筋(ひふくきん)・ヒラメ筋を、両4指を重ねて、回転圧や上下圧で、もみほぐす。膝窩部とその近辺は、優しくほぐすか、軽擦・撫で擦る。
(15)左下腿の裏を、筋繊維と直角方向に、両母指と両4指の上下圧や、両手でつかんで、もみほぐす。両母指と両4指で、左アキレス腱を優しくつかみ、左足底の両側面を、踵(かかと)から趾(し・あしゆび)まで、つかむ。
(16)立位になり体重を使う。左手掌(しゅしょう)で左踵を軽く支え、右手の4指を握った関節部を足底(そくてい)に当て、小さい動きの上下圧で、踵から趾まで、ほぐす。
(17)お客様の足側を回って、右側に移動する。(14)(15)(16)を、お客様の右側で行う。
(18)お客様の足底側に移動。両母指で、左右の涌泉(ゆうせん)を同時に押圧(おうあつ)。
(19)両手掌で、両足の甲や足首を支えて膝を曲げ、ベッドに上がり正座。施術者の両ももに両下腿を置く。片方の手掌で片側の甲を支えて膝を曲げ、踵を臀部に近づける。曲げながら、「どこか違和感がありますか?」と聞く。曲げた足を戻し、もう片方の足を曲げながら、「こちらは、どうですか?」「左右で違いがありますか?」と聞く。両足を元に戻し、曲げると違和感がある・曲げづらい足を手掌で支え、違和感が無いくらい曲げたら、軽く押し返して伸してもらう。
「右足(左足)で、私の手を軽く押し返して、伸してください」「少しでも違和感があったら、すぐに、やめてください」と声をかけ、違和感が無かったら、そのまま伸してもらい、3秒くらい後に「足の力を抜いてください」と声をかけ、膝の下を手掌で支える。脱力(だつりょく)したら、下肢を手掌で受けベッドに置き、「楽にしてください」と声をかける。その後、再度、違和感の有無を確かめる。
以上は、操体法(そうたいほう)の一例。違和感・痛み・動かしづらさがあったら、逆方向に伸してもらいながら支えて、軽い抵抗を掛け、3秒くらい後に脱力(だつりょく)して、楽にしてもらう。
操体法は、まず違和感や痛みが出る方向を探し、次に軽く抵抗を掛けながら、楽になる方向や動きを探し、脱力する。「少しでも違和感があったら、すぐに、やめてください」「痛くない方を探してください」「少しでも気持ちよい方向に動いてください」などと声をかけながら行う。決して無理をせず、軽い力や少しの動きで、違和感が減り、気持よく動ける方向を探す。
痛みや違和感から、逃げると受け取ってもよい。少しでも、楽な気持ち良い動きや方向が見つかると、違和感や痛みが緩和し、動きやすくなる。過緊張を緩和するために、脱力した後、休む時間を設ける。
慣れたら、「やりたい方に、やりたい力で、やりたいだけやってください」「違和感があったら、微調整して、無くなる方を、探してください」「分からなかった、無理せずに、やめてください」「私の力の方向が違うと感じたら、言ってください」「私の力が強すぎたら強い、弱すぎたら弱い、と言ってください」「やめたくなったら、やめたいように、やめてください」 などの声かけをして、楽な動きを誘導する。
(20) 「ゆっくり起き上がってください」「顔を上にして仰向けになってください」と声をかける。マットやタオルを交換し位置を調整する。マットなどの枕をベッドの中央に置き、仰向けになってもらう。
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