施術を繰り返す
・何回も実地で施術を繰り返してください。自分の感覚で色々と工夫も重ねてください。相手の反応や感想や効果も確かめてください。良い反応や感想が得られなくても続けて施術をしてください。
・そして施術の繰り返しの中で出てくる疑問を調べながら、実地での知識を身に付けていってください。
自分の体の使い方
・施術では、自分の体重をうまく使うことが大切です。「自分の体を相手に近づけて、相手に寄り掛かる・あずける・乗り掛るようにする」と、うまく体重が使え、自分の力も入りやすくなります。
・自分の顔は相手から遠ざけて、「顔や目はなるべく前方を見て」、なるべく「自分の肘を伸ばす・肘を曲げない」ようにすることも大切です。自分の体を相手に近づけ、自分の顔は遠ざけます。
・自分の足をベッドに寄り掛けたり(リーン・lean)、ベッドの上に膝を置いたりなど、ベッドもうまく利用します。また自分の体が、安定して預(あず)けやすい場所に、自分の足を置き、自分の「腰や腹の力」も使って体重を乗せ、体全体をうまく利用して施術します。
・自分の体勢や姿勢が安定し、施術がしやすく疲れにくくするため、自分の足の位置や体の向き、腕や手の向きを工夫します。ときには膝立ちになったり、正座になったりします。
・自分の足の位置・体勢・体重の掛け具合により、また手や指の位置・角度・力加減により、また体重を使った体全体の圧力・自分の肩や腕の力・手や指の握力(あくりょく)などの使い方により、受けた感じや効果も変わるので、それらをうまく組み合わせて使い分けます。
・最終的には、自分の個性が出て、自分に合う相手が出てきます。それを広げていくことです。
施術の手技の基本
・まず自分の指や手を相手の体の施術する場所に置き、その場に応じた体重を掛けてゆき、自分の指や手が「相手の体に沈んでいくのを感じ」、「筋肉やコリなどの施術部位の感じを捉(とら)えながら」、以下の各手法を使い分け、組み合わせていきます。
・服の上からでも、タオルの上からでも、相手の筋肉やコリ(硬結 こうけつ・過緊張・持続収縮・圧痛などのある部位)を探り出し・揉み解し(もみほぐし)ていきます。タオルや服を通しての方が、探りやすく捉えやすい場合もあります。
手や指の使い方
手の使い方
・手掌(しゅしょう・手の平)、手刀(しゅとう・手の小指側)、手根(しゅこん・手の付け根)、拳(こぶし・ナックル)などを使い、指は、母指(ぼし)、4指(よんし・しし)などを使います。両手や片手、両指や片指を使い分けます。肘(ひじ)や前腕(ぜんわん)などを使うこともあります。
指の使い方
・指の先端(指頭・しとう)や、手の端や角(かど)を使ったり、指や手の腹(はら)などを使い分けます。指や手の角度も、場所により場合により変えます。両手や両指を、離す・並べる・重ねるなどして、また、指を開く・閉じる・向きを変える、両手で行う・片手で行う、などを使い分けます。
手や指の施術の動き
・施術の手技の動きは、ゆっくり・速く、大きく・小さく、縦方向・横方向・回転、動かす・止める、手早く・深く沈め溶かす、などを使い分け、組み合わせます。
押圧の方法
・押圧(おうあつ・同じ場所を押し続ける・施術面に垂直が基本・角度を付ける場合もある)や回転押圧、揉捏(じゅうねつ・揉み解す・練りこねる)、押圧揉捏(押して伸ばす・溶かすように押し沈める・押して返す)、回転揉捏、把握揉捏(はあくじゅうねつ・つかみ伸ばす・はさんで引く)などの技術を使い分けます。
施術の感覚
・施術時は、相手の心身の効く所・痛い(痛気持ち良い)所、硬い(固い)所・凝(こ)っている所、張っている感じ、などを探りながら・感じ分けながら、または相手に聞いて確かめながら行います。
・手技は、相手の心身の、凝り(コリ)が解(ほぐ)れるように、張り(ハリ)が緩(ゆる)むように、神経などの過緊張が緩和し、柔らかくなるように、溶ける・バラける・細くなる・小さくなる、部分的にも全体的にも柔軟になり、心身が弛緩(しかん)し、動きやすくなってくることを、感じながら確かめながら行います。
・押し伸ばす感じ、引き寄せる感じ、沈め込む感じ、絞(しぼ)り上げる感じ、練(ね)り・捏(こね)る感じ、和らげる感じ、溶ける感じ、静まり落ち着く感じ、などを工夫しながら、体のそれぞれの部位に応じて、また相手の状況に応じて、使い分けて、組み合わせていきます。
・必要に応じて、刺激(しげき)する、起こさせる、強く押し続けるなど、または、削(けず)り溶かすように、抉(えぐ)るように、強めに行うこともあります。
集中した施術
・相手の希望や、自分が多めに施術をしてやりたい場所や、凝っている所などを見つけたら、いったん施術の流れから離れて、その場所やその周りを、ある程度ほぐれるまでか、一定時間その場所を集中して施術することも有効です。
・うつ伏せ・仰(あお)向け・横向けなど、相手の体勢や手足の位置を変えて、違う方向から集中的に行うこともあります。
・他の場所や他の手技を短くしたり、省(はぶ)いたりしながらでも、特定した場所を多めに集中的に行い、そこが少しでも解れると、他の場所や体全体も解れてゆき、楽になることもあります。
頭・首・肩・背中・腕などの不調
・肩甲骨の周辺・背骨ぞい・胸部や腋窩(えきか)・脇(わき)の周りを丁寧に施術します。
腰・股関節・膝・足などの不調
・腰部まわりの他、背骨ぞい・臀部(でんぶ)・骨盤まわり・仙骨の周辺・大転子の周り、大腿骨(だいたいこつ)の外側、骨盤の内側(お腹がわ)や足の付け根・鼠径部(そけいぶ)・腹部、大腿部・股関節(こかんせつ)・膝裏(ひざうら)の周囲もなどを丁寧に施術します。
・足や手や頭など体の末端を丁寧に施術すると、全身に効果が広がることもあります。
体全体のつながり
・どのような症状や希望があっても、全身を施術することが基本です。その中で多めに行う場所を決めたり探ったりしていきます。
療術(りょうじゅつ)とヒーリング
・施術を何回も重ねていると、以上のようなことが実地で自然に、体で実感されていきます。うまくいかないこともありますが、自分がうまく施術できないと感じても、相手は受けたいと思っていることが多いです。完全や100点満点はありえないので、心配や不安がありながらでも、60点前後をうまくこなしていくと良いです。
・自分でも、うまくいったと思えるほうがやりやすいですが、とにかく諦(あきら)めないで続けていれば、触覚を元にした施術の感覚が体得されていきますので、色々な人に何回も施術を繰り返してください。だんだんと総合力が増して療術やヒーリングの力が養われていきます。
・何回も施術を繰り返していると、手や体の使い方が自然に分かり、手や体が自然に動いて施術できるようになります。そして他の知識や経験も施術に生きてきます。
・施術現場の一体感や、自分の手と施術している場所との融和感が得られてきて、癒やす力や自然治癒力やヒーリングの効果も増してきます。
施術を繰り返し行う
・リラクゼーション(Relaxation 疲れストレス過緊張の緩和)や、ヒーリング(healing 心身の癒やし・自然治癒力の回復)
・とにかく、施術を繰り返し行うこと。うまくいかなくても、不安があっても、疲れても、とにかく繰り返し行うことが、一番大切です。
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