揉み解し基礎|うつ伏せ(伏臥位ふくがい)後面(背面)でのリラクゼーション

(1)「両肩ほぐし」両手のMP関節を曲げDIPやPIPはあまり曲げず、指の腹を使って僧帽筋(そうぼうきん)を左右同時につかみ、手掌を支点にしてつかんだ手を引き上げ引き下げる。3回くらい繰り返す。

(2)「背中の交差ほぐし」右手掌を上背部の脊柱の左側に指を相手の頭側にして置き、左手掌をL字に交差させて右手の上から脊柱の右側に指を右に向けて置く。自分の体は相手の頭の方を向ける。両肘をできるだけ伸ばし体重移動(重心移動)を利用して圧を左右均等に加え時計回りにねじりを加え、皮膚の遊び(スキンスラック skin slack)をとりながら背中側から腹側に押圧を加えたまま、1秒間くらい静止する。

両手と体を足方にずらしながら、同じ手技を10回くらい繰り返し、上背部から腰部までをほぐす。押圧と押圧との間の移動は相手から手を離さないようにすり手すり足で行い上下運動を避けると手技が安定する。肘の曲げ伸ばしを使って押圧すると手押し(手打ち)となり不安定。脊柱に手が当たらないように、交差させた手の間に脊柱が入るように行う。また腰部を行うときは骨盤の腸骨に手が当たらないように施術する。背骨や腸骨に手が当たると痛みを感じる。

(3)「腰の牽引(けんいん)」左手を上背部に置き、右手を仙骨底部に垂直に当て、足方に押して牽引を10秒くらい行う。次に左手を奥の肩甲骨に置き、対角線上の手前の腸骨稜に右手を当て手前外側足方60°から45°方向に10秒くらい牽引する。反対側も対角線上の牽引を同様に行う。いずれも両肘を伸ばして行う。押圧が腹側方向へ深く向きすぎると押し込まれて苦しく痛い。また浅すぎると皮膚のみを引っ張られ不快になる。

(4)「首と肩のほぐし」両母指を並べて、または重ねて(重ねるとより力が入る)、他の4指(よんし)は開き4指の指頭を相手の体に軽く当て安定手をつくり、両母指で左首筋から左肩(左の僧帽筋)、左肩から左首筋へと、相手の頭や臀部や全身が軽く揺れるくらいに1秒に1回以下の短いリズムで1ヵ所に2回くらい、体全体と体重を使って押圧を繰り返す。左の首筋から左肩を3往復くらいする。次に右の首筋から右肩を同様に行う。

頚椎や肩甲骨などの骨を押さないように注意する。また4指は頭からは離す。自分の腕や手が常にコンタクト面(被接触面)に対して垂直になるように押圧しながら移動してゆく。手先だけで押圧や方向の調節をすると相手も不快になり自分も負担がかかる。

(5)「肩甲骨周りのほぐし」僧帽筋や菱形筋(りょうけいきん)のほぐし。相手の頭方で椅子に座る。立位で行うと自分の足が相手の頭に触り自分の腰に負担がかかる。肘は曲げてもよい。

脊柱の両側の無理なく腕が届く範囲を、両手の4指をそろえて指頭や指の腹で、皮膚の遊びをとりながら、上下に、自分の指と相手の皮膚が一緒に動くようにほぐす。
1ヵ所5回~10回繰り返す。必要により3往復くらい施術する。

肩甲骨の内側や下側も同様にほぐす。強くほぐすときは、MPやDIPを少し曲げて指を立てて、コンタクト面を狭くする。肩甲骨や脊柱などの骨に指や手を当てないように注意する。

(6)「背中から腰のほぐし」(4)の首と肩のほぐしと同じ手技で、左側の腰部(浮遊肋骨〔第11と12番〕と腸骨の間)から上背部の間、腰方形筋から脊柱起立筋を外側から内側に1秒に1回くらいのリズムで、1ヵ所を2回くらい弾くように押圧しながら2往復くらいする。次に右側を同じように押圧する。首がこっている人は、首まで施術してもよい。腰部は母指を縦に使い、背部は母指を横に使う。腸骨や浮遊肋骨や脊柱に指や手を当てないように注意する。

(7)「臀部と大腿部のほぐし」(7)~(11)は、まず片足を続けて施術する。相手の足方を向き、足方の手で相手の足首を持ち、相手の膝を曲げ、股関節と膝関節を1秒に1回転くらいのリズムで回しながらまたは左右に動かしながら、もう片方の手掌で相手の臀部から大腿部(だいたいぶ)(太もも)を押圧していく。

押圧する手の肘は伸ばし、手押しでなく体重移動を使ってほぐしていく。回転を強めながら押圧し、回転を弱めながら、すり手すり足で押圧場所を移動する。中臀筋や大腿部外側は横からの圧になるので肘を曲げてもよい。膝近くの硬い部分や、股関節近くの大腿部は、痛くないように弱めに押圧する。仙骨、大転子(股関節)、坐骨結節などの骨に手を当てないように注意する。

(8)「ひ骨側の筋肉のほぐし」相手の足方を向き、片方の手で相手の足首を持ち、足首を膝裏より上の大腿後面に置き4の字にする。相手のひ骨側の筋肉(ふくらはぎ外側)を膝側から足首側に向けて、もう片方の腕の尺骨(前腕の小指側)の下の腹で、1秒に2回くらいの速さで10点くらい押圧する。体重を使って押圧し、すり肘で移動する。

(9)「前脛骨筋のほぐし」骨を押圧しないように注意する。相手の足首を反対の手に持ち替えて、相手の頭方を向いて施術台に座る。もう片方の手の4指を開いて安定手をつくり、相手の脛(すね)の外側(前脛骨〔ぜんけいこつ〕筋)を膝側から足首側に向けて、すり手で移動しながら、母指で1秒に1回くらいのリズムで10点くらい体重を使って押圧する。

(10)「足裏のほぐし」相手の足を元の位置に戻す。相手の足方を向き、アキレス腱から踵骨(しょうこつ〔かかと〕)までを母指と第2指~4指でつかむように押圧していく。さらに、踵骨から指の付け根までの足の両側を、母指と第2指~4指でつかむように押圧していく。4指を開き、母指で足裏の踵骨の下を押圧する。次に母指で湧泉(ゆうせん)を押圧する。

片手で相手の踵を支え、もう片方の手を握り4指のPIP(第2)関節で足裏の踵から足指までを、体重を上下に使って、まんべんなく押圧してゆく。土踏まず部は特に丁寧に押圧する。押圧の時間は適宜調節する。必要により、途中でコンタクトハンド(押圧手)を変えてもよい。

(11)「下腿のバイブレーション」相手の側方を向き、片手で相手の足首を持ち、相手の膝関節を90°曲げて立てる。両踝(くるぶし)の下を両手で軽く持ち、自分の両膝を曲げて腰を充分に落とす(四股〔しこ〕立ち)。自分の両肘をしめて、前後方向に相手の下腿を、5~10秒間くらい振る。両手の握りが強すぎないように、また踝に手が当たらないように注意する。

(12)もう片方の足を(7)~(11)と同様に施術する。