骨盤まわりの深層筋群を回復してポッコリお腹の解消に丹田呼吸を
姿勢を保って、ポッコリお腹を解消し、腰痛など心身の不調を緩和する方法の一つとして、腹横筋・多裂筋・骨盤底筋・腸腰筋など、骨盤まわりの「深層筋(しんそうきん)・インナーマッスル(inner muscle)」の回復(使い方の工夫)があります。
「腹横筋(ふくおうきん)」は、背骨(脊椎 せきつい)の下部で、骨盤の上部にある 5対の腰椎(ようつい)などを支える筋肉の一つです。腹横筋は、腹部の最も深層にある筋肉で、お腹にある臓器の位置を整えて姿勢を保ち、便通にも関係しています。
「多裂筋(たれつきん)」は、脊椎(せきつい)を構成する、頚椎(けいつい)・胸椎(きょうつい)・腰椎(ようつい)・仙椎(せんつい)の各椎体(ついたい)の一つ一つに、またいで深層に付いている筋肉群です。背骨(脊椎)全体の動きに関係し、脊椎を安定して支える役割があります。
「骨盤底筋(こつばんていきん)」は、尿道や肛門を締めたり緩めたりする筋肉です。骨盤底筋の筋力が弱まると、尿もれなどの原因になるだけでなく、骨盤全体に掛かる圧力が不均衡となり、腰椎・仙椎・股関節(こかんせつ)の動きが不安定になります。
「腸腰筋(ちょうようきん)」は、腰椎から骨盤内を通り大腿骨(だいたいこつ)に達し、腰部・骨盤・股関節の動きを支える深層筋で、大腰筋(だいようきん)・腸骨筋(ちょうこつきん)・小腰筋(しょうようきん)の総称です。立ち上がり動作や、歩行などに関わる筋肉です。
これら4つの腹部・腰部・骨盤まわりの深層筋群は、生活や仕事での様々な動作の中で、最初に力が入り、互いに協調し合って働き、脊椎や骨盤や内蔵を支え、姿勢を保つ、深層の重要な筋肉群です。
疲れ・運動不足・同じ姿勢の持続などによる筋力の低下や、精神的なストレスなどで過緊張になっているときは、脳や(自律)神経の混乱などで、深層筋から始まる筋肉の連携(れんけい)が うまく取れず、腹部・腰部・骨盤まわりでは、より表層の内腹斜筋(ないふくしゃきん)・外腹斜筋(がいふくしゃきん)・腹直筋(ふくちょっきん)・広背筋(こうはいきん)などに最初に力が入りやすくなり、深層の筋肉群が働きにくくなり、無理や無駄な力や負荷が増し、不調の原因になります。
●次に紹介する「腹式呼吸(丹田呼吸)法」は、腹部・腰部・骨盤まわりの筋肉の動きや連携を取り戻す効果があり、気軽にできる健康法・エクササイズです。
(1) 椅子に座った姿勢で、軽く背筋を伸ばし目を閉じて、お臍(へそ)の下10cmくらいの所の、「丹田(たんでん)または関元(かんげん)のツボ」に、両手のひらを当てます。これだけでも、お腹が温まり落ち着いてきます。
(2) 両手のひらを当てた「丹田」を意識し、鼻から息を ゆっくりと(例えば5秒くらい掛けて)吸いながら、下腹部が膨(ふく)らんでくるのを感じます。
(3) 次に「丹田」を意識して、力を入れて下腹部を へこませながら、口から息を ゆっくりと吐いていきます。このとき吸ったときの2倍(例えば10秒)くらいで、ゆっくり吐いていくと効果的です。
(4) この呼吸の仕方を、何回か(例えば10回くらい)繰り返します。
(5) 上記を「仰(あお)向け」で行う方法もあります。
(6) 仰向けになって膝を曲げ、両腕は適当な場所に置きます。お尻と背中を床面に当て、お腹を上げていき、腰部と床面に隙間(すきま)を空けながら、鼻から息を ゆっくりと吸っていきます。
(7) 次に、腰部を床面に当て、両足で踏ん張って骨盤を上げ、お尻と床面に隙間を空けていき、下腹部にも力を入れ へこませながら、口から息を ゆっくりと吐いていきます。
(8) この方法を、何回か繰り返します。
(9) 以上の呼吸法を試していると、脳や(自律)神経などが安定し、心身がリラックスしてきます。それにより、筋肉の動きや連携も回復してきて、腹部では深層の「腹横筋」などが、うまく使われやすくなります。深層筋の筋トレにもなります。
(10) 深層の筋肉群が働きやすくなると、深層と表層の各筋肉群や骨格・内蔵との連携が取れやすく、無理や無駄な力や動きが少なくなり、仕事や生活の動作が安定して、心身の負担が軽減し、姿勢が保たれ、不調を感じにくくなります。
(11) さらに、ポッコリお腹の解消にも役立ちます。
静岡県 富士市 なかつかヒーリングサロン 中司まゆみ・和正
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