リフレクソロジーの施術の導入と概略
欧米式 リフレクソロジー(反射区 手技療法) の施術(せじゅつ・トリートメント Treatment・技術を施すこと)での、導入(準備の施術)の 手順と理論の説明。
施術 全般の注意点など
・各手技(しゅぎ・手で行う技術)は、相手の 個性や 状況に応じて 臨機応変に 力(圧 あつ)や 動かす範囲や 速さを 加減して、相手も 自分自身も 心地よく、無理や負担・不快が 少なく行う。
・施術を始めたら、最後まで 手を足から離すことなく、流れるように行う。施術の 最初から 最後までを ルーティーン(Routine 一連の手順)と呼ぶ。
・手の親指を 母指(ぼし) または 第1指、 母指以外を 4指(よんし・しし) と呼ぶ。
導入:リラクゼーション
リラクゼーション(Relaxation)は、反射区 押圧 などの施術の前に、準備として行なう 導入の施術。
まず 右足を (1) から (12) まで 施術・その後 左足を (1) から (12) まで 施術
(1)「全体擦(さす)り:インステップ(Instep 甲側)のエフルラージュ(Effleurage 軽擦 けいさつ)」 両手掌(しゅしょう・手の平)を 足指(趾 あしゆび)の 甲側から、足の甲と脛(すね)の上を通って 膝(ひざ)の下まで、ゆっくりと滑(すべ)らせる。 次に、足の膝下の両側から両踝(くるぶし)を通って 甲側の指まで、ゆっくりと両手を滑らせて戻る。これを3回行う。次に、4指の腹(はら)で、両踝(くるぶし)の周りを、円を描いて 3回 滑らせる。 以上の手技を 3回 繰り返す。
(2)「足首 回し:アンクルローテーション(Ankle Rotation)」 片手で 足指の根元の下を握り、もう片方の手を、お椀(わん)の形にして、踵(かかと)の下に置き支え、足首を時計回りに、ゆっくりと大きく、無理なく 3回 まわす。次に反時計回りに 3回 まわす。
(3)「足指 回し:フィンガーローテーション(Finger Rotation)」 片手で 足指の根元の下を握り、もう片方の手で、足の親指の根元を挟(はさ)み、上に引っ張り伸ばしながら、時計回りに ゆっくりと無理なく 3回 まわす。次は反時計回りに 3回 まわす。同じことを 親指から 小指まで行う。
(4)「両側 擦(さす)り:バイブレーション(Vibration) または ソーセージロール(Sausage Roll)」 足の両側に 両手掌(しゅしょう)をあて、両側から 圧を加えて 前後に 擦り(さすり)ながら、足指から 踵(かかと)、踵から 足指へ往復する。 2回 繰り返す。
(5)「交差:ジグザグ(Zigzag)」 両手で深く 足を握(にぎ)り、両母指を 足指の下のふくらみに 交差させて置く。足裏に圧を加えながら 両母指を 足の中側から 両外側まで 滑らせて開く。 次に 圧を抜いて 元の位置まで 滑らせて戻る。 母指の幅 一つ分くらい下げて 同じ手技を行う。その手技を 足指の下から 踵(かかと)まで 順に繰り返す。 踵まできたら、母指の幅 一つ分くらい 上がりながら 同じ手技を 繰り返す。その手技を 足指の下まで続ける。 2回 繰り返す。
(6)「全体さすり」 (1)を もう一度、行う。
(7)「土踏まず への スライド(Slide 滑らせる)」 片手の手掌で 足の小指側を支え、もう片方の手掌の母指側の下部(母指球 ぼしきゅう・手根 しゅこん)を、足の親指の爪(つめ)の根元の 横から踵の終りまで、足の内側に圧を加えながら、土踏まずのアーチに沿って滑らせる。 2回繰り返す。
(8)「両側さすり」 (4)を もう一度、行う。
(9)「足首 回し 」 (2)を もう一度、行う。
(10)「上げ伸ばし&広げ:プルアップ&スプレッド(Pull Up & Spread)」 両母指を 踵(かかと)の下の中心に置き、両4指を足首の甲側に置く。 両母指で足裏を 踵の下から 足の中指に向かって滑り上げながら、両4指も 足首から甲側を滑り上げる。 足の中指まできたら、両母指で 足の指と指の間を広げながら 両側に開く。足の甲側の4指に力を入れすぎないように注意する。 2回 繰り返す。
(11)「横隔膜(おうかくまく)ラインの反射区(はんしゃく)の押圧」 横隔膜ラインに沿って、ゾーン1から 5に向かい サムウォーク を行なう。 2回 繰り返す。 詳細は下記を参照。
(12)「全体さすり」 (1)を もう一度、行う。
反射区の施術(トリートメント Treatment)
反射区の押圧の仕方
「欧米式」の、反射区(Reflex Zone・Reflex Area)の 押圧(おうあつ・押して一定の 圧〔あつ〕 を加える)は、キャタピラーウォーク(Caterpillar Walk いも虫 歩き) を使う。キャタピラーウォークには、手の 母指(ぼし 親指) を使う サムウォーク(Thumb Walk 母指 歩き)と、手の 母指 以外の指 を使う フィンガーウォーク(Finger Walk 指 歩き) がある。
キャタピラーウォーク(サムウォーク・フィンガーウォーク)の方法
キャタピラーウォーク は、指の指頭(しとう)や 腹(はら)を使い、主に 指の 第一関節を 曲げ・戻して、常に 一定の 力(圧 あつ)を加え 一定の リズム を 保ちながら、少しずつ 進んでいく。 一つ一つ押すことを意識し、細かく やり過ぎないように注意して、一本の線を描くことをイメージ し押圧していく。圧を加えてから、力を抜き進んでいくとき、指が 足から 離れないようにする。
反射区の施術の多くは、片手の母指を横向きにして 足裏の5指の根元に置き、残りの4指は足の甲側に置いて、足を握って足裏を反らせた状態を保ったまま、もう片方の手の指で、反射区を押圧する。
片手で 反射区の反対側を支え、もう片方の手の指で 反射区や 反射点を 押圧していく方法もある。
反射点 と スライド
キャタピラーウォーク の他に、スライド(Slide 滑らせる) を使う方法や、反射点(Reflex Point・ポイント)を押圧 する方法もある。反射点は、一点押圧する反射区や 反射区内の一点を押圧するときの場所 のことで、プレッシャー・プレッシャーサークル・プレス・プレス&リリース、などの押圧法がある。(後述)
安定手(あんていしゅ)
空いている手や指を利用し、相手にも 自分にも 無理や負担が 少ないように、やりやすく 安定した 施術ができるように 工夫する。このような 手や指の利用を、安定手と呼ぶ。(後述)
ゾーン(Zone 区域)
リフレクソロジーでは、全身に 縦10区域の エネルギーの流れ があると 考えられており、その区域を エネルギーゾーン(Energy Zone)または、単に ゾーン(Zone)と 呼ぶ。 体の中心から 左右の外側に向かって、左右とも 縦(たて)に 1から 5の ゾーンがある。 足のゾーンも、片足ごと 縦に5区域ずつ、親指側から 小指側に向かって ゾーン1 から ゾーン5があり、片足で 5区域、両足で 10区域 の ゾーンがある。
「親指のゾーン」 親指は、左右のゾーン1 につながっていると同時に、それぞれの 親指 自身が、 さらに ゾーン1から ゾーン5の 5区域に つながっていると考えられている。
ライン(Line 線)
足(裏と甲と両側面)を 横(水平)に通る 線。 反射区トリートメントの めやす とする。 両足とも、4本の ラインがある。 ラインの名前は 以下。
(1) 首肩(くびかた)ライン (2) 横隔膜(おうかくまく)ライン (3) 腰(こし・ウエスト)ライン (4) 骨盤(こつばん)ライン
静岡県富士市 なかつかヒーリングスクール 中司まゆみ・和正
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